新潟県に移住することになりまして~移住するのは新しい人生の選択なのか、今までの人生の清算なのか~

なんとなく想像していた人生像。
そんなものは振り向くと跡形もなくなっているということもまあ、よくあることで、栃木県に生まれた僕は、成人したあたりで東京に上り、そこで人生を終えていくんだろうなーとなんとなく思っていたものです。

それがどうしてこうなってしまったのか、気が付いたら沖縄にいたり大阪にいたり、久しぶりに栃木県に立ち戻ったかと思えば、今度は新潟県に移住する運びとなりました(新潟県在住の諸兄方はなにとぞよろしくお願いします)。

実のところ、今回移住が決まるまで新潟県はあまり縁がなかったもので、『お米がおいしい所』『お酒がおいしい所』程度のステレオタイプ的なイメージしか持ち合わせていませんでした。

まあ、元料理家であり無類の晩酌好きとしてはそれだけでも十分に魅力あふれる土地ですが、せっかく住むのであればもっと魅力を知っていきたいのがまあ人情だろうということで、移住するきっかけになった友人とこのメディアを立ち上げることになったわけです。

当たり前だと思ってるかもしれないけど魚だいぶ美味しいぞって話

さて、移住してから日が浅いのもあり、生活基盤も整わないまま食道楽ってわけにもいきません。前述した通り元々料理家ですから、一旦色んなスーパーを回って、自宅で料理をして楽しんでいるわけですが…

えっスーパーで買っただけの刺身うますぎん?

ちょっと衝撃でした。

色々な地域を渡り歩いてきたのは先に書いた通りですが、今まで住んだところって海がないか西か南かってところで、海やら漁港やらが近い地域はあまり縁がなかったんですよね。

栃木も昔は旦那衆の町があったりで、料理屋に入れば美味い魚は食べられましたが、スーパーで鮮魚を買っても正直大したことはないわけです。

魚は通常寒い海域でとれた魚の方がのっていて美味いという一般論がありますけど、雪は降るものの新潟がそんなに北国のイメージもなく、ここまで違うとは思わなかったですね。

これは嬉しい誤算ってことで、見事に飲酒量は増えるし引きこもり気質は加速するしということで食道楽からまた一歩遠ざかってしまったわけです。

何故移住するのか

さて、前述しました通り、今回僕が移住するのには友人からのお誘いという切っ掛けがありましたが、それ以前にも幾度か県をまたいで引っ越しを繰り返してきました。

葛飾北斎のように93回も居を移す人もいたわけですが、まあさすがにそれほどではなく、数えてみれば11回。

一般的には人生で4~5回程度引っ越しをするそうですので、比較的多い方だと言えるでしょう。

大抵は大学進学時に地元を離れたり、就職で離れたり、そこから転勤するようなこともあれば、結婚や、子供や、まあ色々事情があって引っ越すことになるのでしょう。

そういった外発的動機付けとは別に、なんとなく今の生活環境を変えたかったり、旅行や仕事で立ち寄った地域に憧れて等、内発的動機によって移住する人もいるわけです。

僕は後者なわけですが、今回新潟での生活に慣れてきたところでふと、人生を振り返るというと大げさだけど、何故こんなに移住を繰り返してきたんだろうかなーと考えてみることに。

ひとつひとつ思い出してみると、上京をした時は音楽をやっていて、活動の拠点が都内になるから引っ越しをして、次は仕事で沖縄に行った時にとあるおっさんと酒飲みながらセッションしてたら意気投合して、住まいは用意してやる!と言うので、そんなきっかけで沖縄に引っ越し。今度は仕事のお誘いいただいて大阪に行って・・・思い返しながら、その辺りで気づくわけです。

僕は、自分がそれなりに好奇心旺盛で、生活環境を変えることに恐れを抱かない大胆な人間なのでは、と肯定的な仮定をして考え始めていたのですが、これは案外そうでもないのかもしれない。

どうやら引っ越しを繰り返す要因として、所謂『清算癖』が影響することがあるらしい。

それまでの人生で関わった人との関係性や、環境を『なかったこと』にして、リスタートをしたくなるってことですね。

なるほど、逃避の側面もあるんだな。と、これはなんとなく理解も共感もできるところで、新しく何かを始める時、急にそれまでの関係性や環境が煩わしく感じることがあります。

それはある種『負い目』のようなもので、挑戦している時ほどそれまでの環境、人間関係などに触れると今まで自分が積み上げてきた事への否定というか、裏切りを働いているような感覚になることがあって、いっそそれらをすべて一新してしまえば、『気楽』なのだろうと思うわけです。

振り返ってみても、今までの人生の『思い出化』とも呼べる現象は順調に進んでいて、今まで自分が離れた土地や、関わってきたものを切り離して今を見つめるのに、移住という選択肢はある種便利なのだろうなぁ。

なんて思ったりしました。

走り書きみたいになってしまったけど、なるほどこれを考えるのはなかなか面白い、と思った桜散る春の夜といったところです。

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