前回の記事で、見附市今町の「道の駅 パティオにいがた」におじゃましたわけですが、今回はそこから少し足を延ばして「今町商店街」へ散策。そこで出会った小さくて素敵な出会いについて、ちょっとした記事を書いていこうと思います。
↓は前回の記事。読んでくれると嬉しいです。
前回の記事でも登場してきたこの写真。右下の所に注目してほしい。「今町商店街」とある。どうやらスロープを下ってすぐらしい。
どういうわけか、昔から商店街というものに惹かれるところがある。
これは、著者の田舎が商店街などというものに無縁なほどの、コンビニはおろか自動販売機さえも徒歩圏内に無い地域に位置していたから、商店街というものに無意識にシティ的な要素を感じて憧れているのだろうか。
はたまた、大型の複合施設に置き換わってはなくなりつつある商店街というものにノスタルジーや、昔懐かしい安心感なんかを感じては心の奥底で惹かれているのだろうか。
いや、商店街が身近なところになかったのにどうやって商店街を懐かしむんだ?でも、ノスタルジーを感じるような気はする。不思議なものだ。人間は自分の記憶だけを生きているわけでもないらしい。
まあ、そんなことは置いておいて。
商店街という言葉に惹かれてスロープを下った。思いのほか商店街までは距離があるらしく、なかなか着かない。「スロープを下ってすぐ」と聞いていたので、本当にこの先に商店街があるのかと少し不安になったが、道中にも看板があったので、不安ながらも進んでいくと、それらしき場所に着いた。
おそらくここが「今町商店街」なのだろう。商店街の名残のある軒並みと、ぽつぽつとお店をやっている雰囲気がある。この日は平日であったこともあってか、あまりお店は開いていない様子であった。
そうか、また日を改めて来てみるかと肩を落として帰ろうかと振り返ると、
なんか楽しそうなお店あった。
異彩を放つお店がそこにあった。
ひと際目立つ赤色の看板や、大凧を模した迫力のある看板、昔懐かしい薬局の前に置いてある小銭で動くゾウさん。
いろいろな要素が目に飛び込んできたのだが、すべてを差し置いて著者の目に飛び込んできたのは駄菓子ののぼりだ。商店街+駄菓子=素敵という世界一有名であろう公式によりはじき出された計算によって、著者は扇長薬局さんの店内に吸い込まれていった。
あれ?今日ってなんかのお祭りだっけ?
先ほどまで頭の中を埋め尽くしていた駄菓子がすべて吹き飛んでしまうほどに楽しそうな様子の店内。
ついさっきまで人通りの無いもの寂しい商店街にいたこともあってか、思わず「えっ?!」という声が漏れてしまった。
となりのトトロでお父さんが「明るい所から、急に暗い所に入ると、目が眩んで、マックロクロスケが出るのさ。」と言っていたが、この場合は何スケが出るのだろうか。
なんて一瞬トリップしてしまったが、ギリギリのところで駄菓子を買いに来たことを思い出した。
いや、めっちゃ素敵やん。
駄菓子のラインナップも古き良き駄菓子屋さんを彷彿とさせる昔懐かしいものを取り揃えてくれていることもさることながら、スーパーボールとかのくじ引きまであるじゃないですか。
今でも駄菓子を買おうと思ったらある程度のものはスーパーで買えるけど、このくじ引きまではなかなかお目にかかることが出来ないんですよ。
「これは、地域の子供たちをしっかりと喜ばせにかかってきているな。」などと、全然この地域の人間でもなんでもないのだが、思わず嬉しい気持ちになってしまう。そして著者は童心に帰りながら妻と100円分ずつの駄菓子を購入した。2人の購入品は最後に乗せるので楽しみにしておいてほしい。(100円も子供の時で言ったら大金だ、結構な豪遊ができた)
お店の方に話を伺ってみると、どうやらここは今町商店街で間違いないらしい。昔はもっとお店があったが、年々お店が減っていっているのだとか。
やはり商店街で個人商店などを続けていくのはなかなかに難しいものなのだな、と時代の移り変わりを感じつつ、こんな個性的で素敵なお店に出会ってしまうと無責任にも頑張って続けていってほしいな、と思う。
やはりこのお店にも近所の子供たちが駄菓子やくじ引きを買いに訪れるのだとか。そりゃそうだ、近所にこんなお店があったら小学生時代の著者は行きつけにする。そしておそらく破産することだろう。
ピンクのサトコちゃんは故障しているそうなので、気を付けてほしい。ということは手前のゾウ(調べたところ、サトちゃんと言うらしい)は現役ということか。ちょっと乗ってみたかったが、さすがに著者が乗ってサトコちゃんと一緒に病院送りにするわけにはいかないので、自重した。
さて、お待ちかねの購入品紹介。
左が妻、右が著者の購入品だ。
お互いに相手に買うものを伏せて買って来たのだが、ここまで違うかというラインナップ。しかし、フーセンガムだけは買いたくなるものなんだな。子供の時のごちそうだったもんな。100円の駄菓子を相手に見せずに買う遊び、結構楽しいのでおすすめだ。
お店の前のベンチにお菓子を並べて写真を撮らせてもらったのだが、このベンチの上でこれまで何人の子供たちがどれだけの駄菓子を食べてきたのだろう。
子供の時には「お菓子は身体に悪い」とよく言われたものだが、駄菓子の運んできてくれる幸せな気持ちや笑顔はかけがえのないものである。実際、笑顔は身体を健康にしてくれるらしい。
なるほど、「薬局で駄菓子?お菓子は身体に悪いのに?」と思ったが、駄菓子も薬になると言えるのかもしれない。駄菓子も薬も用法容量を守って、良い付き合い方をしていきたいものだ。
そんなわけで今回は今町商店街でみんなの心と身体を健康にしてくれている扇長薬局さんにおじゃましました。
みなさんもたまには商店街をわけもなくブラブラしてみてはいかがでしょうか。思いがけず素敵な出会いがあるかも。