忙しい日々。
机に座ってはPCに向き合い、空き時間にはスマホを眺め、視線を上に向けるのはシャワーを浴びている時に前髪が顔に張り付くのを嫌がった時くらいでしょう。
そんな日々に忙殺されている皆様に、今回星空を見上げてリフレッシュするのはいかがでしょうか、とおすすめをしたいわけです。
あれがデネブ、アルタイル、ベガと指さし数えるには些か時期が早いですが、春の星空というのもなかなか良い物ですよ。
春の星座
天体観測と言うと割とハードルが高そうな印象があるかと思いますが、実のところ星座を見て楽しむくらいなら肉眼でも全く問題ありません。
天体観測・・・というより星空観賞ですかね。をしたことがない方でも、形を見たら「見たことある!」って星座はいくつかあるかと思います。
メソポタミアの頃から星に図形を描き、星座を数えたというくらいですから、現代においては見る機会が少ないだけで、見てみると案外わかるものです。
ですが知っての通り、季節によって見える星座は変わります。
知っている星座がなくて、「見たけどわからへんかった~」とかならないように、春の星座をいくつかおさらいしておきましょう。
北斗七星
星座を楽しむにはまず目印が必要なので、まずはひときわ目立つ北斗七星を探しましょう。
星空観賞をしたことがない人ですと、小さい範囲を探してしまって気づかないことがありますが、想像してるよりもはるかに大きいと思います。
星座を見つける第1のコツは、空を広く見ることです。
α星(基本的に一番明るい星)は水桶部分の一番端の星でドゥーベ、一つ手前の星がβ星(2番目に明るい星)のメラク。
おおぐま座
さて、北斗七星は見つかりましたでしょうか。
見つかっていれば、実はもう一つの星座が、すでにあなたの視界に入っているはずです。
それがおおぐま座
実は北斗七星っておおぐま座のしっぽの部分だったりします。
北斗七星の柄杓の水桶部分の方が体の部分で、α星は北斗七星と同じくドゥーベです。
こぐま座
北斗七星の水桶の縁の部分、α星のドゥーベとβ星のメラクを、メラク側からドゥーベ側に視点を動かしていくと、少しこじんまりとした北斗七星にそっくりな形がもうひとつ見えてきます。
これがこぐま座です。
こぐま座のしっぽの部分の端の星が北極星のポラリスです。
これを覚えておけば知らない土地で道に迷った時でも北はわかりますね。
ただ、ポラリスは2万5千年後くらいには北極星じゃなくなるそうなので、長生きする予定の人は気を付けてください。
うしかい座
視点は戻りまして北斗七星。
柄杓の柄の部分から視点を南に送っていくと、オレンジ色に光るひときわ明るい星があります。
それがうしかい座のα星アークトゥルス。
アークトゥルスはうしかい座の股の部分にある星ですので、そこから足の位置を確認してみると全体が見えやすいでしょう。
しし座
またまた戻りまして北斗七星。
おおぐま座を発見した時とは逆で、α星のドゥーベからβ星のメラクに向かって視点を動かしていくと、延長線上に青白く明るい星が見えます。
それがしし座のα星1等星のレグルスです。
β星(2番目に明るい星)は2等星デネボラ、γ星に2等星のアルギエバ。
レグルスは1等星の中で最も暗い星なものの、ほとんど太陽と同じ軌道を辿っていることから、航海基準に使われていたりと案外発見しやすい星です。
天の川からも遠く、周りに星団やらもないので、ひと際明るい青白い星を探してみましょう。
レグルスはしし座の心臓部分にある星なので、それっぽいのを見つけたら、近くのデネボラ・アルギエバを見つけて、3つの星でできる三角形を意識してみると全体像が認識しやすいです。
おとめ座
しし座のデネボラと、うしかい座のアークトゥルスを直線で結び、南東に三角形の頂点を探すと、丁度良いところに明るい星があるはず。
それがおとめ座の一等星スピカです。
おとめ座はスピカがひと際明るいものの、他の構成星があまり明るくないので、正直全貌はつかみにくいです。
このおとめ座を探す際に結んだデネボラ・アークトゥルス・スピカから成る巨大な三角形のことを、春の大三角と言います。
といった所で、星座の紹介はこんなところです。
酒を合わせるのも良し、ただぼうっと眺めるも良し、たまには郷愁に浸るのも良いかもしれません。
忙しい日々に、ひと時の平穏を。
では。